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歩く

Site 01 - A courtyard of ex brothel, Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 01 - A courtyard of ex brothel, Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 01 - Outside view of ex brothel, Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 02 - Higashihasuda Onsen (a local public bath at a hot spring), Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 02 - Higashihasuda Onsen (a local public bath at a hot spring), Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 02 - Higashihasuda Onsen (a local public bath at a hot spring), Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 02 - Higashihasuda Onsen (a local public bath at a hot spring), Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 02 - Higashihasuda Onsen (a local public bath at a hot spring), Hamawaki area, Beppu, 2012.

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Site 03 - Whole view, Hamawaki area, Beppu, 2012.

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2012

ミクストメディア

サイズ可変

Mixed Bathing World 2012, Installation view at Hamawaki area, Beppu, 2012

Photography by Takashi Kubo

Courtesy Beppu Contemporary Art Festival "Mixed Bathing World" Committee

歩く: 浜脇の記憶を共有するプロジェクト

この作品は、別府で開催されたトリエンナーレ形式の国際美術展「混浴温泉世界展2012」で発表されたプロジェクトのひとつ。招待アーティストは、別府市内全域に点在する展示スペースの一部が与えられ、サイトスペシフィックな作品を制作する。廣瀬智央のプロジェクトは、別府の浜脇エリアで実現された。別府温泉発祥の地といわれる浜脇エリアは、鎌倉時代より栄え、明治以降から昭和の33年頃まで色街として繁栄を極めてた場所であった。発表作品は、浜脇エリアの地層と歴史的文脈を読み解いた二つのプロジェクトからなる。

プロジェクト02の歩く。このプロジェクトは、浜脇地区の3つのサイトを歩いて探索する小旅行からはじまる。アーティスト本人が体感した浜脇の小宇宙を3つのポイントに絞って鑑賞者に追体験していただき、身体の記憶として、浜脇を歩き、記憶を共有する。浜脇地区は約50年前まで遊郭の街として非常に繁栄していたが、いまはその面影はない。辛うじて面影を残す地域を歩くと、想像力を刺激されるような空間が密かに残っている。それは、光と闇、富と貧、希望と絶望、夢と現実、俗と聖の間で、かつて繰り広げられたこの街の人間ドラマであり、現在のなかに不在を見る哀悼の眼差しであり、廃墟感覚への共感といえるかもしれない。

サイト1: 旧遊郭の中庭
遊郭は独特な構造を持つ。中庭を囲むように建物が造られ、外観は必ず格子で覆われている。紅が塗られ、モザイク・タイルや丸窓などの外観装飾が、遊郭の記号として機能していた。すでに廃墟になって、長いあいだ閉ざされていた中庭に当時の繁栄の面影はない。ふと上を見上げるとそこにあるのは流れ続ける空のみ。

サイト2: 東蓮田温泉前
今も、昔も湧き続ける温泉。時が止まったかのような空間は、観光地とは無縁の日常の断片が溢れている。ここは、住宅地に密かに寄り添うようにある共同浴場であり、そんな生活密着型の共同温泉にこそ別府の神髄がある。開放感のある浴舎内は、湯が溢れ使いやすく、別府の古くからの温泉へのこだわりが随所に見られる。

サイト3: 全景
変容する都市。変わりつつある別府の全容を見ることができる。記憶とは、ひとつの断片が保存されるのではなく、変化し続ける断片が再構成され、立体的かつ動的に構築される身体の記憶なのかもしれない。


混浴温泉世界 2012 公式ウェヴサイト: http://mixedbathingworld.com/