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アルチペラゴ - テアトロ
2001
テント、TVモニター、ビデオ、模型、CCDカメラ、クッション、コーヒー 他
サイズ可変
Installation view at Luigi Pecci Contemporary Art Center, Prato
Photography by Tartaruga
Courtesy Luigi Pecci Contemporary Art Center, Prato
<アルチペーラゴ>(イタリア語で群島という意味)であり、市販の7つ程のテントを展示室の暗い空間の中に明かりを灯されて、群れをなすような島のようにぽっかりと浮かび上がっている作品である。私たちはまず、その点との明かりをしばし眺めることになるが、その各テントにいろいろなしつらえがしていることに気付き、それぞれ、気の向くままに入って、作品とともに過ごすことになる。なかのしつらえもいろいろで、視覚、触覚、嗅覚と、様々な感覚に訴えかける。その他、偶然その場にいあわせた他の観客としばし語り合うことができる場所、しばらく体を横たえて休める場所など様々である。観客は各テントを自由に回遊しながら、思い思いの時間を過ごす。「旅」「移動」など、流動的な状態を連想させるテントが使われている理由はこの点にあるのだろう。作者と観客が作品をとおして少しでも理解しあうこと、あるいは観客同士が知り合い、自然に会話さえ始まることが、この作品が最も理想とするところだろう。廣瀬は、あくまでも日常的な品物を仲立ちとして、ゆrっやかに私たちの能動性を引き出そうとしている。